日本でカジノなどの賭博をする行為は法令で禁止となっています。
野球賭博など違法賭博行為がテレビで報じられることが度々あり「ネットカジノも法令に適合していないのでは?」と不安感を抱いている人も多くいるでしょう。
多くの人が遊んでいるネットカジノですが、実は遊んでいたたけで摘発された実例があるのです。
ですが、摘発された事例では最終的に不起訴処分となり、幕を閉じました。
なぜ遊んでいるだけで摘発されたのか。
この記事では、ネットカジノの摘発事例と紹介するとともに、ネットカジノで遊ぶことことに関して、詳しく説明していきます。
目次
実際にあったネットカジノの摘発事例
外国に本拠地をおき配信しているネットカジノには、国内からたくさんの人がカジノゲームで遊んでいます。
もちろん昔から日本では法令に適合しているかについては議論が絶えないなかで私たちは遊んでいる状態です。
しかし、2016年にネットカジノで遊んでいた3人が逮捕されるという、日本で初めての出来事が起こったのです。
日本で初めてネットカジノプレイヤーが摘発される事件が発生!
2016年、ネットカジノで遊んでいた3人が逮捕されるという事件が起こりました。
海外のインターネットのカジノサイトで賭博をしたとして、京都府警は10日、賭博(単純賭博)の疑いで埼玉県越谷市の制御回路製作会社経営、関根健司(65)▽大阪府吹田市の無職、西田一秋(36)▽埼玉県東松山市のグラフィックデザイナー、中島悠貴(31)-の3容疑者を逮捕した。府警によると、無店舗型のオンラインカジノの個人利用客が逮捕されるのは全国初とみられる。
引用:産経WEST
外国に本拠地をおき配信しているネットカジノを遊んでいただけで捕まってしまったことによって、当時ネットカジノで遊んでいた日本人にとって衝撃が走りました。
なぜ彼らは遊んでいただけで捕まってしまったのでしょうか。摘発された原因を考察していきましょう。
日本時間の日本人プレイヤー過密時間に運営
捕まった3人が遊んでいたのは「スマートライブカジノ」というイギリスを拠点にしていたネットカジノです。
「スマートライブカジノ」では、日本人の多くが遊ぶ夕方~深夜にかけて運営するという、日本人向けのサービスを展開していました。
日本人ディーラーによるカジノゲームを提供
「スマートライブカジノ」では、カジノで遊ぶ日本人のために、日本人ディーラーを採用してカジノゲームを提供していました。
日本人が多い時間帯に日本人ディーラーがゲームを提供していることから、日本向けに特化した運営方法をしていることが問題視されるようになったのです。
明らかに日本人向けに展開されている運営方法を鑑みて、警察は「外国に拠点をおき配信されているネットカジノでも、胴元は日本国内において経営している」との見解に繋がりました。
この点は、実際には間違っていました。
しかし結果的に、 胴元が日本にいると思われるネットカジノで日本で遊んでいた3人が摘発されるという事件に発展したのです。
プレイヤーは不起訴に!オンラインカジノの立ち位置は違法へ
日本初のネットカジノで遊んでいただけで摘発されるという事件は、裁判の結果、不起訴として幕を閉じました。
なぜ不起訴を勝ち取ることができたのでしょうか。
そこには、賭博罪と賭博開帳罪という法令の優劣関係や法令の目的があったのです。
- 賭博罪:賭博をしたことに対する罪
- 賭博開帳罪:賭博をする場所を提供したことに対する罪
まず、法令の優劣関係ですが、基本的には賭博開帳罪のほうが重罪となります。
理由は賭博を禁止している日本において、賭博をする場所を提供し賭博をさせようとする行為自体が悪質と考えられているからです。
そもそも賭博をする場所がなければ賭博罪で摘発される人はいないという解釈です。
そして、法令の目的ですが、賭博罪は場所を提供した胴元を検挙するための不随意的な法令であることです。
今回の摘発事例に照らし合わせると以下のようになります。
- 賭博開帳罪⇒スマートライブカジノ
- 賭博罪⇒摘発された3人
スマートライブカジノは、イギリスを拠点に法令で認められたネットカジノですから、日本で摘発・検挙することはできないのです。
また、賭博開帳罪を適用できないネットカジノで遊んでいるプレイヤーだけを提訴、処罰することは、法令の目的にそぐわず、妥当性に欠けることと結論付けられました。
以下は裁判を担当した津田弁護士のブログから引用したものです。
賭博行為について,刑事責任のメインは開張者(胴元)が負うのであり,賭博者(客)が負う責任はある意味で付随的である。賭博犯の捜査は胴元の検挙を目的におこなうものであり,「賭博事犯の捜査実務」にもその旨記載がある。
本日時点において,オンラインカジノプレイヤーが対象となった賭博罪被疑事件で争った案件は国内でただひとつであり,そのひとつは,不起訴となった。
言うまでもなく,不起訴は不処罰であり,何らの前科はつかない。平たく言うと「おとがめなし」ということだ。
引用:津田弁護士ブログ
一方で、急速に増えるオンラインカジノ利用者を問題視した消費者庁および警察庁が、2022年10月24日13時頃に「オンラインカジノは賭博罪となり、犯罪」との見解を明確にしました。
警察庁HPよりオンラインカジノについて
消費者庁HPより日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!
法令に関してはオンラインカジノに関する記述はまだありませんが、賭博罪としての認識を広めることに打って出たようです。
ネットカジノは違法なの?
日本から接続し、お金をかける行為は賭博になります。ただし、これが直ちに違法というわけではありません。
裁判で不起訴の判例ができてはいますが、警察庁が認識をはっきりと打ち出したため、違法であることが濃厚になっている段階です。
しかし、今回紹介した摘発事例の判例のように、賭博開帳罪で摘発することのできない胴元が経営するネットカジノで遊ぶだけでは賭博罪では不起訴となる可能性があります。
岸田総理は以前「オンラインカジノは取り締まる」と発言したため、警察庁としても足並みをそろえたのでしょう。
ここからオンラインカジノに関して明記した法令を作っていく形となるため、時間がかかることでしょう。
とはいえ、警察庁がお触れを出した以上は「日本から接続し、お金をかける行為は賭博」という点を理解しておいたほうが良いでしょう。
国際ライセンスは現地でのみ合法
外国において法令に適合しているとして営業しているネットカジノは現地のみで合法となります。
でも、その国の法令に違反しているかどうかってどこでわかるの?といった不安の声もあります。
そこで、重要なのが国際ライセンスの有無です。
国際ライセンスとは、国や政府が発行する公的な証明書で、公共機関がネットカジノの経営会社を法令に適合していると証明するものです。
しかも、証明書の入手は厳しく、会社の経営状態・反社会勢力との関連性や提供ゲームの公平性、資金調達・管理方法など長期間にわたって審査を受けなければなりません。
厳しい審査をクリアしたネットカジノには、公共機関から経営を許可される証明書が付与され、必ず公式ページにライセンスを入手している旨の記載がされています。
ネットカジノを始めるときには、必ずライセンスを入手しているかについて確認するようにしましょう。
もし、公式ページを見てもわからなければ、サポートへ問い合わせることによってすぐに教えてくれます。ここで回答を濁されたりした場合は、すぐに遊ぶことをやめるようにしましょう。
まとめ
外国に拠点をおき法令に適合して配信されているネットカジノで遊ぶことは、賭博行為となります。
ネットカジノで遊ぼうか迷っている人は、この点をしっかりと理解しておきましょう。遊ぶ場合はデモなどの無料版や入金不要ボーナスを使うなど、実際にお金の賭けない形でお楽しみください。
しかし、もし国際ライセンスを入手していなかったり、日本で経営されているかもしれないネットカジノで遊んでいる場合は、すぐに遊ぶのをやめて登録解除することをおすすめします。
見分け方も簡単で、ライセンスを入手していれば必ず公式ページに入手している旨の記載があります。安全なネットカジノかを判別することができますので必ず確認してください。
ネットカジノで遊んでいる日本人はとても多いです。ほとんどは優良な経営をしており、ライセンスを入手し法令に適合した運営をしていますので、入金しない範囲で楽しく遊びましょう。