ベーシックストラテジーはブラックジャックにおける基本的な戦略のひとつで、ベーシックストラテジーを理解すればブラックジャックの勝率を大幅に高めることが期待できます。
この記事ではブラックジャックのベーシックストラテジーについて詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
ベーシックストラテジーとは
ベーシックストラテジーを一言で表すと、ブラックジャックにおけるさまざまな状況に応じた最適なアクションを確率論の見地からまとめた理論です。
ビデオスロットやバカラ、ルーレットといったカジノゲームは運の要素が大きいため初心者もベテランのプレイヤーも勝率はほとんど変わりません。
対して、ブラックジャックはプレイヤーの選択次第で勝率が変化するため、同じゲームであるにもかかわらず初心者と熟練者で還元率に大きな違いが生じます。
しかしベーシックストラテジーを覚えればスロットやバカラよりも断然勝ちやすいギャンブルへと早変わりするぞ。
本気で勝ちを狙いたいという方は、この機会にぜひベーシックストラテジーを覚えておくと良いでしょう。
ベーシックストラテジーはオンラインカジノで使える!
上で述べているように、ベーシックストラテジーは状況に応じた最適なアクションをまとめたもので、ディーラーとプレイヤーの手札を対応させたマトリクス表としてあらわすことが可能です。
ブラックジャックではさまざまな状況が考えられるためすべてのパターンを記憶することは限りなく困難です。
しかし、マトリクス表を見ながらプレイすれば初心者でも簡単に勝率を高めることが期待できます。
ランドカジノではテーブルに表を持ち込むことは原則として認められていませんが、オンラインカジノなら表を見ながらブラックジャックをプレイすることが可能です。
オンラインカジノでプレイできるブラックジャックには大きく分けてライブカジノとテーブルゲームの2種類があります。
テーブルゲームなら時間制限を気にせずプレイヤーのペースでゲームを進められるので、まずはテーブルゲームで試してみることをおすすめします。
ベーシックストラテジーを基礎から解説
それではいよいよベーシックストラテジーの詳しい使い方について解説します。
ベーシックストラテジーがマトリクス表としてあらわせることは先に述べたとおりですが、プレイヤーの手札が「ハードハンド」「ソフトハンド」「スプリット」の場合でそれぞれ異なる表としてまとめることが可能です。
ブラックジャックでは「A」を「1」とするか「11」とするかをプレイヤーで選択することができ、「A」を「1」とした扱う場合の手札をハードハンド、「A」を「11」とした扱う場合の手札をソフトハンドと呼びます。
またスプリットは手札が2枚とも同じ数字の場合を意味しているので、併せて覚えておくようにしてください。
ハードハンドの場合
下の表は、プレイヤーの手札がハードハンド、すなわち手札中の「A」を「1」として扱うときに取るべきアクションについてまとめたものです。
ディーラーのオープンカード | ||||||||||
プレイヤーの手札の合計値 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | A |
8以下 | H | H | H | H | H | H | H | H | H | H |
9 | H | D | D | D | D | H | H | H | H | H |
10 | D | D | D | D | D | D | D | D | H | H |
11 | D | D | D | D | D | D | D | D | D | H |
12 | H | H | S | S | S | H | H | H | H | H |
13 | S | S | S | S | S | H | H | H | H | H |
14 | S | S | S | S | S | H | H | H | H | H |
15 | S | S | S | S | S | H | H | H | H* | H |
16 | S | S | S | S | S | H | H | H* | H* | H* |
17以上 | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
「H」はヒット、「S」はスタンド、「D」はダブルダウンを意味しています。「H*」はサレンダーできるとならサレンダーを選択し、不可能であればヒットしてください。
たとえば、プレイヤーの手札の合計値が「12」でディーラーのオープンカードが「7」の場合はヒット、プレイヤーの手札の合計値が「15」でディーラーのオープンカードが「6」の場合はスタンドが最適解です。
ソフトハンドの場合
下の表は、プレイヤーの手札がソフトハンド、つまり手札中の「A」を「11」として扱う場合に取るべきアクションについてまとめたものです。
ディーラーのオープンカード | ||||||||||
プレイヤーの手札 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | A |
A・2 | H | H | H | D | D | H | H | H | H | H |
A・3 | H | H | H | D | D | H | H | H | H | H |
A・4 | H | H | D | D | D | H | H | H | H | H |
A・5 | H | H | D | D | D | H | H | H | H | H |
A・6 | H | D | D | D | D | H | H | H | H | H |
A・7 | S | D | D | D | D | S | S | H | H | H |
A・8 | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
A・9 | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
ハードハンドの場合と同じく、「H」はヒット、「S」はスタンド、「D」はダブルダウンを意味しています。
たとえばプレイヤーの手札が「A・7」でディーラーのオープンカードが「8」であればスタンドが最適解となります。
ハードハンドの場合の表と比べると頻度は少ないですが、よほど偏らない限りは必ず使う機会が来るので、ぜひメモしておきましょう。
スプリットの場合
下の表は、プレイヤーの手札がスプリット、つまり同じ数字のカードが揃っている場合に取るべきアクションについてまとめたものです。
ディーラーのオープンカード | ||||||||||
プレイヤーの手札 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | A |
2・2 | P | P | P | P | P | P | H | H | H | H |
3・3 | P | P | P | P | P | P | H | H | H | H |
4・4 | H | H | H | P | P | H | H | H | H | H |
5・5 | D | D | D | D | D | D | D | D | H | H |
6・6 | P | P | P | P | P | H | H | H | H | H |
7・7 | P | P | P | P | P | P | H | H | H | H |
8・8 | P | P | P | P | P | P | P | P | P | P |
9・9 | P | P | P | P | P | S | P | P | S | S |
10・10 | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
A・A | P | P | P | P | P | P | P | P | P | P |
「H」はヒット、「S」はスタンド、「D」はダブルダウン、「P」はスプリットを意味しています。
たとえば、プレイヤーの手札が「4」のスプリットでディーラーのオープンカードが「4」ならヒット、プレイヤーの手札が「9」のスプリットでディーラーのオープンカードが「8」ならスプリットが最適解です。
ここで紹介した3パターンの表を見ながらプレイすれば、常に確率的にもっとも勝率の高いアクションを選択し続けることが可能です。
また、ディーラーの手札がブラックジャックであることを予想する「インシュランス」という賭け方が存在しますが、ベーシックストラテジーではインシュランスに賭けることを推奨していません。
少しでも勝利を高めたいという方は、ぜひベーシックストラテジーを参考にしてブラックジャックをプレイしてみてください。
ベーシックストラテジーと相性の良い戦略
ベーシックストラテジーはあくまで確率論に基づいて状況に応じた最適なアクションを選択するための指標であるため、他の戦略と組み合わせて使用することでより高い効果が期待できます。
ここではベーシックストラテジーと相性の良い戦略を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
マーチンゲール法
マーチンゲール法は一定の法則に従ってベット額に調整するいわゆるベッティングシステムの1種です。
ベーシックストラテジーと相性の良い戦略のひとつだといえるでしょう。
ラウンド | 賭け金 | 勝敗 | 累計収支 |
1 | $1 | × | -1 |
2 | $2 | × | -3 |
3 | $4 | × | -7 |
4 | $8 | × | -15 |
5 | $16 | × | -31 |
6 | $32 | ○ | +1 |
マーチンゲール法は連敗で被った損失を1度の勝利で取り戻すことを目的としています。
上の表を見れば分かるように、マーチンゲール法では負けるたびにベット額を倍に増やしていくため連敗が続くとベット額がかさんでしまうというデメリットがあります。
ブラックジャックは他のギャンブルと比べて連敗や連勝が続きにくいため比較的安全に運用することが可能です。
しかしリスクが全くないわけではないので、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で使うようにしてください。
モンテカルロ法
モンテカルロとは観光地として有名なモナコ公国の地名のことで、モンテカルロ法はモンテカルロのカジノを破産させたことからその名がついたとされています。
話の真偽は不明ですが、モンテカルロ法は先述したマーチンゲール法よりもリスクが低く、長い時間をかければかなり高い確率で利益を確保できる使い勝手の良いベッティングシステムです。
ラウンド | 数列 | 賭け金 | 勝敗 | 累計収支 |
1 | 1,2,3 | $4 | × | -4 |
2 | 1,2,3,4 | $5 | × | -9 |
3 | 1,2,3,4,5 | $6 | × | -15 |
4 | 1,2,3,4,5,6 | $7 | ○ | -8 |
5 | 2,3,4,5 | $7 | ○ | -1 |
6 | 3,4 | $7 | × | -8 |
7 | 3,4,7 | $10 | ○ | +2 |
8 | 4 | – | – |
モンテカルロ法では数列を利用して次ラウンドのベット額を導き出します。
まず最初に「1,2,3」という数列を作り、数列の両端の数字の合計値を1ラウンドあたりのベット額とします。
負けるたびにベット額を数列の最後に書き加え、勝ったら数列の両端を消し、ラウンドごとにベット額を計算し直してください。
数列の数字が1つ以下になった時点で1セット終了です。
1セットが終わるまでにかかるラウンド数は勝敗の展開によってまちまちですが、モンテカルロ法では1セットが終わると必ず収支がプラスとなります。
コツコツ型のプレイヤーにはうってつけの戦略だといえるので、ぜひベーシックストラテジーと併せて運用してみてください。
ダランベール法
ダランベール法はフランスの数学者によって開発されたベッティングシステムです。
勝ったら賭け金を1単位減らす、負けたら賭け金を1単位増やすだけのシンプルなルールですが、モンテカルロ法と同様に長い時間をかければ高い確率で利益を得ることができます。
ラウンド | 賭け金 | 勝敗 | 累計収支 |
1 | $1 | × | -1 |
2 | $2 | × | -3 |
3 | $3 | × | -6 |
4 | $4 | ○ | -2 |
5 | $3 | ○ | +1 |
6 | $2 | × | -1 |
7 | $1 | ○ | 0 |
8 | $2 | ○ | +2 |
上の表は、ブラックジャックでダランベール法を運用した場合の1例です。
ベット額の増減の幅が小さいため、マーチンゲール法と比べてリスクを大幅に抑えることができます。
その分、連敗で失った資金を取り戻すには長い時間が必要となりますが、ブラックジャックは比較的連敗しづらいギャンブルなので、ダランベール法はブラックジャックに適した戦略のひとつだといえるでしょう。
もちろんベーシックストラテジーとの相性も良いので、ぜひ試してみてください。
ベーシックストラテジーとカウンティングの組み合わせ
ベーシックストラテジーはカウンティングと組み合わせて運用することでより一層の高い効果を発揮します。
しかしランドカジノはカウンティングを禁止している施設が多く、オンラインカジノのテーブルゲームではそもそもカウンティングが不可能であるため、ベーシックストラテジーにカウンティングを組み合わせることは現実的ではありません。
ライブカジノであればディーラーの目を気にせずにカウンティングを実践できるのます。
ぜひチェックしてくれ。
ベーシックストラテジーとカウンティングを併用して勝率を高めたいという方は、ライブカジノのブラックジャックをプレイすることをおすすめします。
ただし、オンラインカジノでもサイトによってはランドカジノと同様にカウンティングを全面的に禁止している場合があるので、利用規約をしっかりと確認した上で実践してください。
ベーシックストラテジーを実践してみた
それではオンラインカジノのテーブルゲームを題材に、ベーシックストラテジーを実践していきましょう。
ベーシックストラテジーの効果を検証するために、マーチンゲール法やモンテカルロ法など他の戦略は併用せずにプレイします。
まずは1ラウンドのベット額を$5に設定してプレイ開始です。
最初に配られた手札の合計値は「19」、ディーラーのオープンカードは「5」でした。
ハードハンドの場合のマトリクス表を参照するとスタンドが最適解として導き出されるため、ベーシックストラテジーに則ってスタンドを選択します。
結果は引き分けでした。
正直なところ手札の合計値が「19」なら、取るべきアクションは考えるまでもなくスタンドの1択なので、残念ながらベーシックストラテジーの効果のほどを検証できたとはいえません。
続く2ラウンド目。
最初に配られた手札の合計値は「18」、ディーラーのオープンカードは「9」でした。
今回もマトリクス表を参照するまでもなくスタンド1択ですね。もちろんベーシックストラテジーでもスタンドが最適解だと示されているので、ここは迷わずスタンドを選択しましょう。
結果はプレイヤーの勝利でした。
3ラウンド目。手札に「A」が来ました。
それぞれのマトリクス表を参照すると、ハードハンドならヒット、ソフトハンドならダブルダウンが最適解であることが分かります。
ここは強気にダブルダウンを選択します。
プレイヤーの勝利です。強気に出て正解でしたね。
続く4ラウンド目。
手札は「7」のスプリットでした。ディーラーのオープンカードが「6」であるため、マトリクス表に照らし合わせると、スプリットが最適解であることが分かります。
ベーシックストラテジーに則ってスプリットを選択。
右側のハンドの手札の合計値が「17」なので、マトリクス表を参考にしてスタンドを選択します。
右側のハンドもストラテジーに則ってスタンドを選択です。
ディーラーがバストし、プレイヤーの勝利となりました。
スプリットともなると1ラウンドで3つのアクションが求められるので、ベーシックストラテジーがあると非常に心強いですね。
5ラウンド目。プレイヤーの手札の合計値は「12」、ディーラーのオープンカードは「A」でした。
インシュランスするかどうかを選択しますが、ベーシックストラテジーにおいてインシュランスを選択することはありません。
ここはインシュランスせずにゲームを続行します。
ベーシックストラテジーに則ってヒットを選択です。
配られたカードは「5」でした。再度マトリクス表と照らし合わせ、最適解であるスタンドを選択します。
見事プレイヤーの勝利となりました。
6ラウンド目は5ラウンド目とまったく同じ采配となりました。
前回と同様にインシュランスは選択しないで勝負を続行します。
今回もベーシックストラテジーどおりにヒット。
残念ながらバーストしてしまいました。6ラウンド目にして初の敗北です。
7ラウンド目。プレイヤーの手札の合計値は「15」、ディーラーのオープンカードは「8」でした。
ベーシックストラテジーに則ってヒットを選択します。
今回もバストでした。2連敗を喫していしまいましたが、7ラウンド中4勝2敗1分けという内訳を考えれば、今のところはかなり良い流れだといえるでしょう。
続く8ラウンド目のプレイヤーの手札は「3」のスプリット、ディーラーのオープンカードは「9」でした。
マトリクス表を参照し、最適解であるヒットを選択します。
「6」が手札に加わり、合計値は「12」となりました。
ベーシックストラテジーに則って再びヒットを選択です。
結果はバスト。そろそろ連敗から脱したいところです。
9ラウンド目。プレイヤーの手札の合計値は「13」、ディーラーのオープンカードは「K(10)」でした。
ベーシックストラテジーによると最適解はサレンダーとなっていますが、サレンダーを選択することができないため第2候補であるヒットを選択します。
「2」を引いて、手札の合計値が「15」になりました。
マトリクス表のとおり、再度ヒットを選択します。
「A」を引いて、手札の合計値が「16」になりました。
ベーシックストラテジーに則って今回もヒットを選択します。
またもやバスト。すっかり悪い流れに転じてしまいました。
そして10ラウンド目。プレイヤーの手札の合計値は「12」、ディーラーのオープンカードは「5」でした。
ベーシックストラテジーに則ってスタンドを選択します。
結果はプレイヤーの負けでした。
最終的な収支は以下のとおりです。
ラウンド | 賭け金 | 勝敗 | 配当 | 累計収支 |
1 | $5 | △ | $5 | 0 |
2 | $5 | ○ | $10 | +5 |
3 | $5+$5 | ○ | $20 | +15 |
4 | $5+$5 | ○ | $20 | +25 |
5 | $5 | ○ | $10 | +30 |
6 | $5 | × | – | +25 |
7 | $5 | × | – | +20 |
8 | $5 | × | – | +15 |
9 | $5 | × | – | +10 |
10 | $5 | × | – | +5 |
10ラウンド中4勝5敗1分けと、概ね確率どおりの結果に収束しました。
本来なら収支がマイナスになってもおかしくないところですが、ダブルダウンとスプリットの両方で勝利したため、最終的にはプラス収支でプレイを終えることができました。
このように、ベーシックストラテジーだけでも高い確率で利益を確保できるので、この機会にぜひ覚えてみてください。