オンラインカジノを通じて様々なトラブルに見舞われる可能性があります。
特にオンラインカジノの仕組みをよく知らない初心者の場合は、マルチやねずみ講の勧誘に注意が必要です。
本記事ではオンラインカジノにおけるマルチやねずみ講の勧誘の危険性について詳しく解説してみました。
目次
オンラインカジノのマルチの勧誘に要注意
オンラインカジノを利用していたり、オンラインカジノに興味関心を抱いたりすると「権利収入」といった謳い文句でマルチ・ねずみ講に誘われることがあります。
オンラインカジノの紹介をするだけで毎月一定収入が入ってくる、なんて聞くとついつい足を出してしまう人も多いのではないでしょうか。
しかしオンラインカジノの紹介を通じて権利収入を獲得するということは、基本的にあり得ません。
ひとたびマルチに手を染めてしまうと、損失を回収できなかったり、友人関係が崩壊したりする恐れがあります。
マルチとねずみ講の違い
マルチとねずみ講は一緒くたにされることがありますが、似て非なるものです。
簡潔に言えばマルチは合法、ねずみ講は違法ということになります。
いずれも他人に紹介する形で権利収入を獲得するというビジネスですが、扱っている商材が異なります。
マルチの場合には、アムウェイに代表されるように家庭日用品などを扱うのが特徴です。
対してねずみ講は組織の会員になるといったように、実存する商材を扱いません。
マルチはある意味真っ当な商売です。しかしねずみ講は1978年に制定された「無限連鎖防止法」という法律によって、明確に違法であることが定められています。
何人(なんぴと)も、無限連鎖講を開設し、若しくは運営し、無限連鎖講に加入し、若しくは無限連鎖講に加入することを勧誘し、又はこれらの行為を助長すること(行為)をしてはならない。
引用元:無限連鎖防止法第3条
ねずみ講に関する罰則としては、以下のような内容が定められています。
罰則 | 罰則対象者 |
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金 | ねずみ講のオーナーとなった者 |
1年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金 | 反復的にねずみ講に勧誘した者 |
20万円以下の罰金 | ねずみ講に勧誘した者(1回でも成立) |
そして注意したいのが、オンラインカジノに関するネットトラブルはマルチよりもねずみ講寄りであるということです。
オンラインカジノの公式サイトやアフィリエイターならばともかく、単なる一個人からオンラインカジノの勧誘を受けた際には、紹介料報酬などの規定が備わっていないか十分に注意するようにしてください。
オンラインカジノの勧誘は賭博罪が適用?
ねずみ講の勧誘に加担すると、上述した通り無限連鎖防止法第3条に抵触して、実刑判決を受ける場合があります。
加えてオンラインカジノの勧誘を行う場合には、「ギャンブルを斡旋する」という形になるため、賭博罪の規定に抵触してしまうかもしれません。
具体的には刑法第186条2項の「賭博開帳図利罪」に抵触する可能性があります。
罰則内容は3か月以上5年以下の懲役刑です。
オンラインカジノのマルチに勧誘されるパターン
マルチやねずみ講に関わっている人は、少しでも紹介者を増やそうと必死です。
ある程度の人数を紹介しないと自分が損失を被ってしまうモデルとなっているため当然でしょう。
そのため、あの手この手を使って新規の会員を獲得しようとしています。その中でも特にマルチやねずみ講の勧誘を受けやすいパターンをいくつか紹介します。
SNSで勧誘
誰もがSNSアカウントを保有するようになった現代は、SNSを介したオンラインカジノの勧誘が盛んに行われています。
SNSの場合、全く顔も名前も知らない第三者から連絡を受ける可能性もあるでしょう。
例えばTwitterの場合には、オンラインカジノの公式アカウントや配信者のアカウントをフォローしているだけでも、新たな勧誘者名簿にリストアップされてしまう可能性もあります。
そして突然DMが来たり、フォローされたりするという流れです。
オンラインカジノ関連のアカウントだけではなく、投資や起業、FIREなどに関するアカウントを重点的にフォローしている場合にも、マルチにとっては格好のターゲットとなります。
特にFIREを検討している人は「知人を紹介するだけで永続的に権利収入が入ってくる」という宣伝文句には、ついつい反応してしまうはずです。
参考:滋賀県消費生活相談事例集
インカジで勧誘
インカジでカジノプレイをしている時に、店舗関係者や同席客からオンラインカジノの勧誘を受けるという可能性もあるでしょう。
特にインカジに出入りしているような人間は反社会的勢力と関わっていることも多いため、心理的に断りづらくなってしまうはずです。
そもそもインカジを利用していること自体が犯罪であり、相手から「勧誘を断るならばインカジの利用を告発する」といった脅しを受けるかもしれません。
さらに勧誘を受けるだけではなく、紹介者に対しても一定のノルマを科せられる可能性があり、もう逃れられない状態となってしまいます。
マルチの勧誘の有無に関わらず、インカジの利用には百害あって一利なしなので、絶対に立ち寄ってはいけません。
新生活の出会いで勧誘
マルチやねずみ講の勧誘は新生活の出会いの場でもさかんに行われています。
特に大学に入学したばかりの学生の場合には、「とにかく儲かるバイトがしたい」「楽なバイトで一気に稼ぎたい」などと考えている人も多いでしょう。
社会経験が乏しく、ネットワーク犯罪の恐ろしさをよく理解できていないケースも多いため、マルチやねずみ講の格好のターゲットとなり得ます。
出会ったばかりでまだ人間関係が完全に構築できていない段階では、誘いに対して断りにくいという心理的ハードルもあるため注意が必要です。
マッチングアプリで勧誘
マッチングアプリを使ったオンラインカジノの勧誘も頻繁に行われています。
本来はデート目的で出会ったはずの人に、オンラインカジノの勧誘を受けてしまうという可能性もあるため注意が必要です。
デートを通じて相手に好意を持つようになっていれば、さらに適切な判断ができなくなる可能性もありますね。
マッチング後にいきなりオンラインカジノの勧誘を受ける場合には無視しておけば問題ありませんが、知識がないと騙される可能性もあります。
実際にあったオンラインカジノのトラブル事例
オンラインカジノを商材に実際にトラブルに巻き込まれた事例をいくつか紹介します。
セミナーで勧誘を受けた事例
SNSで知り合った男性から誘われた参加費無料のセミナーにおいて、オンラインカジノのアフィリエイトに登録させられたという事例です。
入会金として30万円が必要とのことだったので、用意できないと言うと、「すぐに取り戻せるから」ということで斡旋され、消費者金融で資金を工面することにしました。
しかし実際には思うように儲からず、入会金が返ってくることもなく、さらに連絡先すら分からない状態が続いており、手元に残ったのは消費者金融からの高利の借金だけになりました。
◆バイト仲間から勧誘を受けた事例
職場のバイト仲間から、オンラインカジノの紹介料を稼ぐ副業を紹介された事例です。
バイト仲間から「海外のオンラインカジノの有料会員になって人を紹介すると、紹介料が入る良い副業がある。稼いでいる人はタワーマンションに住んで優雅な暮らしをしている。すぐに元が取れるのでお金は借りたらいい。勝ち組になろう。」と、成功したとされる人の画像を見せられた。
紹介された男性は消費者金融でお金を借り副業をはじめましたが、稼げることはなかったそうです。
◆SNSで勧誘を受けた事例
一番多いパターンである、SNSを通じて勧誘された事例です。
SNSで知り合った人から海外のオンラインカジノのネットワークビジネスを勧誘された。会員登録に30万円必要と言われ「払えない」と断ったが「他の人を勧誘し会員にすれば報酬がもらえる」と言われ、クレジットカードを申し込んで分割で支払った。
◆2022年現在もマルチ勧誘商法が横行中
📑見逃し配信📑 オンラインカジノ広告の“マルチ勧誘”でウソの説明・返金せずか 男女3人を逮捕 : オンラインカジノの広告に関する「マルチ商法」に勧誘する際に、ウソの説明で契約を結び返金にも応じなかったなどとして、福岡県に住む男女3人が逮捕されました。
— RKB毎日放送NEWS📺 (@rkbnews4ch) September 20, 2022
トラブルに巻き込まれないための対策
最後に、オンラインカジノを通じてマルチやねずみ講などのネットトラブルに巻き込まれないための対策をいくつか解説します。
オンラインカジノの登録に料金がかかることはあり得ないと知っておく
大前提として、オンラインカジノのアカウント登録にお金が発生することはありません。
合法的に運営されているオンラインカジノであれば、一切費用を支払うことなく、アカウント登録は完了します。
つまりオンラインカジノの利用にあたって、一定の支払いを必要とするような誘いは100%マルチやねずみ講に該当するということです。
オンラインカジノの誘いを受ける際に、「○万円を支払って登録すれば」といったような文言が出てきた瞬間、怪しい誘いであると判断するようにしましょう。
そして入会金を支払ったからと言って、相応のリターンが受けられることは決してありません。
いくつかの事例でも紹介した通り、支払い損に終わるだけで、何も得られずに終わるのがオチです。
会員費やアカウント維持費も存在しない。
公式以外からの権利収入はあり得ないと心得る
オンラインカジノで紹介料の報酬を得られるとすれば、公式がプロモーションの一環として行っている友達紹介ボーナスのみです。
一般の個人から友人の紹介を通じて紹介料報酬を受け取れるということはあり得ません。
ちなみにアフィリエイトサイトをマルチと混同している人は認識を改めてください。
アフィリエイトサイトは紹介料などの報酬を得ているものの、アフィリエイトサイト経由でオンラインカジノのアカウント登録を行う際には、一切費用が発生しません。
アフィリエイトそのものには違法性もないということです。
なお、公式の友達紹介ボーナスがあるのは以下のオンラインカジノです。
- ベラジョンカジノ
- ライブカジノハウス
- ロイヤルパンダ
- ハッピースター
- エルドアカジノ
- エンパイアカジノ
もちろん友達紹介ボーナスが成立する手順においても、一切の費用が発生することはありません。
美味しすぎる話はあり得ないと心得る
マルチやねずみ講の勧誘に利用される「権利収入」は非常に美味しい話です。
実際にモデルが確立できれば寝ていても勝手に稼げる状態になるので、誰もが羨む話でしょう。
しかし実際には標準金利を圧倒的に上回るような高レートでどんどん資金がポケットに入ってくるという話はあり得ません。
仮にあり得ないモデルが成立しているのであれば、必ずどんどん資金を吸われているカモがいます。
ひとたびカモになってしまった時、カモ状態から抜け出すには自分が新たに友人に紹介して、子分を獲得していくしか道はありません。
もちろん簡単に成功するはずもなく、家族や友人からも煙たがられる存在になってしまうでしょう。
即断即決はしない
オンラインカジノの勧誘を受ける場合には、「今やっておかないと損」「今日入会すれば割安な価格でOK」といったように、即断即決を煽るようなフレーズも多用されます。
しかし絶対に焦ってはいけません。
いくつかの事例でも紹介した通り、結局何も手に入らず、負債だけを負わされるというのがオチです。
例えば親しくしている地元の先輩など、なかなか断れないというパターンもあるでしょう。それでも決断してはいけません。
断りきれない時は、「家族に相談してから」「今はどうしてもお金を工面できない」など言い訳のカードを用意しておきましょう。
もろもろの人間関係などを考えると断るなんてとても無理、ということもあると思いますが、怪しい話をもちかけられた時点で、そもそも付き合ってはいけない人だったと切ればいいだけです。
何か脅しを受けるようなことがあれば、警察に突き出すことも考えましょう。
心理学の法則を理解しておく
余計なトラブルに巻き込まれないためには、心理学の法則を理解しておくことも大切です。
特に営業マンが多用している「ドア・イン・ザ・フェイス」については、理解しておいて損はありません。
ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に無理なお願いをして断らせた上で、本題を提示してくるという手法です。
人間は一度断った手前、罪悪感を抱いており、連続して頼み事を断りにくくなります。
そして心理誘導に屈して契約させられてしまうのです。
例えばオンラインカジノの勧誘を受ける際にも、最初に「100万円を支払えば」と言われて断った後に、「5万円のコースもある」なんて言われてしまえば、思わず乗ってしまう人も少なくありません。
また何度もコミュニケーションを取っているうちに信頼を抱いてしまう「単純接触効果」や実際にオンラインカジノの勧誘で巨利を稼ぎ出しているという実績に対する「権威効果」により、正常に判断ができなくなる可能性もあります。
どんな心理状態に陥ったとしても、「オンラインカジノの個人からの勧誘には乗らない」という判断の軸をぶれることなく持ち続けるようにしましょう。
必勝ツール導入の勧誘も注意
オンラインカジノ業界では、バカラやルーレットなどの必勝ツールが販売されていることもあります。
そして必勝ツールがマルチの商材として使われるケースも少なくありません。
しかしオンラインカジノのゲームは、ランダムで作動しているため必勝ツールを使うことで必ず勝てるという保証はもちろんありません。
そればかりか、本人以外の力を借りてゲームをプレイしたということで、オンラインカジノ側からアカウントBANを食らってしまう可能性もあります。
オンラインカジノのゲームは、必勝ツールなど使わなくても十分に勝つことができます。
もちろんツールの紹介ノルマなどを負う必要もありません。
必勝ツールにお金を投じるくらいならば、オンラインカジノのゲームで利用してリベートボーナスを稼いだ方がよっぽど効率的な使い方と言えます。